Lesson2-1 牛肉の歴史

Lesson1を通じて、食肉には様々な種類がある事が理解できたでしょうか。

ここからのLesson2,3,4,5では、「牛肉」「豚肉」「鶏肉」「ジビエ」について、
Lesson全体を通して歴史から部位、代表的な料理までをより詳細に解説します。

まずは、牛肉と人類の歴史へとその起源を遡っていきましょう。

牛肉と人間の繋がりは文明ととても深く繋がっています。
牛肉の歴史を学ぶことで、人類の進化を学習することができるとまで言われていますので、楽しんで学習していきましょう。

牛肉の始まりは「オーロックス」という暴れ牛

人類と牛肉との出会いは、先史時代に野生種として存在していた
「オーロックス」という牛が始まりでした。

現在では絶滅しているオーロックスはかなり気性の荒い牛で
身長も1.8メートルと大きかったのですが、
当時の狩猟民族にとっては重要な食糧源として狩りが行われていました。

狩りは労力がとてもかかる割に一度しか牛肉を得られないため、
1万2千年前には「家畜化」が行われるようになりました。

牛の家畜化の始まりは当時のメソポタミアという説が有力で、
文明が発展した理由と同じく、大きな川が近くにあることが大きく寄与していたと考えられています。

牛は「富を示す存在」としても使われるように

紀元前4,000年には、牛肉が当たり前のように食べられるようになり、
この頃にはコブのある「コブ牛」と呼ばれる牛と、「コブのない牛」の2種類が
メインで家畜化されるようになっていました。

牛は家畜としての役割だけではなく、「富を示す存在」としても知られており、
肉牛の絵などがエジプトの壁画にも残っています。

労働の対価としてお金の代わりに900グラムの牛肉が日給として支払われるなど、
現代の貨幣のような価値を持っていたとされています。

物を運ばせる役割や、薬としての信仰も

ローマ帝国では、牛は食糧のための「家畜」としてのみではなく、
牛車などの「荷車」としても使役されていました。

現代のドイツ北部のあたりに居住していたゲルマン人は特に牛肉を好み、
牛を細かく分解してほとんど全ての部位を食していたことで知られています。

イギリス諸島のアングロサクソン人は、治療薬としても牛肉を使いこなしていたとされています。
「牛肉を食べれば健康になる!」と信じられており、
スープやお茶のエキスに牛肉を使用して病人に飲ませていました。


これらのように、現代では「食肉」として家畜化されている牛ですが、
牛と人類の歴史については文明の発展とともに様々な関係が築かれていた事が分かります。

次は2ページにわたって、牛肉の食肉部位を全て一緒に解説していきましょう。